中度・重度の歯周病治療・手術
歯周病の原因と進行
歯周病の原因は細菌です。原因菌が歯垢や歯石の中で増殖し、歯槽骨(しそうこつ)という骨を溶かしていきます。
歯槽骨を溶かし始める段階までが軽度歯周病です。軽度の場合は、お口のクリーニングをすることで治療できます。
中度歯周病とは
中度歯周病の症状
- 歯磨きをすると歯ぐきから出血する
- 歯肉が腫れる・後退する
- 冷たいものがしみる
- 口臭、膿が出始める
重度歯周病とは
重度歯周病の症状
- 歯磨きをすると歯ぐきから出血する
- 歯肉が後退し、歯がぐらつく
- 歯の周りを圧迫すると、白い膿がでる
- 口臭がきつくなる
中度・重度の歯周病治療内容
中度・重度の歯周病になると、歯周組織が破壊されていきます。歯周組織とは、歯を支える歯ぐきや骨のことです。歯周病の原因菌を抑えない限り、症状は進行し、やがて歯が自然に抜けてしまいます。
原因菌を抑えるためには、お口のクリーニングが有効です。
歯周組織が破壊されると、自然には治りません。治療するには、再生療法や手術が必要となります。
外科手術「フラップ手術」
フラップ手術とは、歯肉を切開して歯根の汚れを徹底的に取りのぞき、歯肉を戻して縫合するものです。局所麻酔で行いますが、約1時間〜2時間かかる手術になります。
再生療法「エムドゲイン」
エムドゲインとは、破壊されてしまった歯周組織の再生を誘導するお薬です。主成分は子どもの歯が生えるときに必要なたんぱく質で、骨を含む歯周組織を再生できます。
フラップ手術と同様に、歯肉を切開して歯の表面の汚れを徹底的にとり、その後エムドゲインを塗り、縫合します。
矯正・補綴・抜歯
すでに歯が抜けてしまっている方や、これから抜歯をする方の場合は、矯正や補綴で歯の審美と機能の回復を図ります。
手術の痛みについて
フラップ手術、エムドゲイン手術の際に患者さんが最も気になるのは「痛み」ではないでしょうか。痛みは人によって感じ方が異なりますが、大まかな傾向を紹介します。
術中の痛み
局所麻酔をするため、痛むことはほとんどありません。
術後の痛み
基本的には、鎮痛剤でコントロールします。歯肉を切開する痛みは、親知らずの抜歯ほどは痛みません。
手術の流れ
1、事前の診察・検査
手術の必要性を判断します。手術は不安に思う方も多いですが、当クリニックでは患者さんの話をしっかり聞き、十分に説明します。
2、手術
局所麻酔をして、手術をします。ダメージの少ない手術で早期回復を目指します。痛み止めと抗生剤を処方します。
3、抜糸
手術から約2週間後、問題なければ抜糸します。
術後の注意点
禁止事項
手術当日は、激しい運動・入浴・お酒・たばこは控えてください。
お薬について
痛みと腫れを抑えるために、痛み止めと抗生剤を処方します。
患部について
歯肉の状態が落ち着くまでは、患部の歯みがきはしないでください。抜歯までは手や舌で触ると、治りが悪くなる場合がありますのでご注意ください。
痛み・腫れについて
痛み止めのお薬でコントロールします。腫れる場合は、手術の翌日または翌々日にピークを迎えます。患者さんの多くは、マスクで対処しているようです。腫れがひどい状態が続く場合はご連絡ください。
食事について
術後は、3~4時間あけて食べられます。食事の際は、治療した箇所とは反対側で噛むようにしてください。
術後の経過をよくするために
当日の体調を整えましょう。風邪や睡眠不足、過労などは手術の予後に影響します。
患者さんの「怖い・痛い」に寄り添います
痛みについては、麻酔や術後のお薬でコントロールしていきますので、ご相談ください。